加工前の画像です。
肩にかけて使うことは無く、手に持って使いたいとのご要望ですので、持ち手の長さを詰める加工を施します。
一度も使用していないバッグで、もちろん持ち手の痛みもありません。
お客様からは、出来るだけデザインを変えることなく、この持ち手を再使用して、とのご希望を伺いました。
加工後の画像です。
打ち合わせで決まったのは、持ち手を本体から外し、両側根元部分で長さをカットする方法です。
しかし、直線(平行)ではない末広がりのため、根元補強の革幅とのズレも生じ、元々のデザインも崩れてしまいます。持ち手頂点は直線ですが、ここでカットして繋ぐのは強度的な問題があります。
再考を重ね、根元の上部5センチの部分で持ち手を詰める加工にしました。
加工部分のUPです。持ち手の繋ぎは革をカット後、薄く漉き、重ね合わせ、補強を施す接ぎ(はぎ)の技法で作業しました。
作業仕上がりの画像です。
受け取りの際、お客様から「長さもちょうどよく、繋ぎ目も見えず、満足です」と、とても喜んで頂きました。
バッグ本体と持ち手のバランスも品良くまとめられたと思います。
(担当・笹)